コラム

営業戦略 003

製造ベンチャー企業が販路選定で陥る罠〜③量販店

前回はネットのリスクをお話ししましたが、今回は量販店のリスクについてです。

私どもはリアル店舗での展開をビジネスにしているので、量販店での展開にケチをつけたくはないのですが、リスクはそこにも存在します。例えば家電量販店やドラッグストアでの展開におけるリスクは何か。それはディスカウンターの存在です。ECも含めた小売の世界においては、市場競争原理からも顧客本位からもディスカウントは常套手段です。ただし競争力のある製造メーカーであれば大量生産による原価引き下げはできるかもしれませんが、中小ベンチャーにおいては非常に難しく、その結果卸値の引き下げにあい、利益がなくなり撤退せざるをえないというシナリオが想像できます。販売力のあるディスカウンターは多く存在しますが、我々の長年の知見により、ブランド維持をしながら、販売力のある量販店に卸すためのノウハウはご提供できるので、そこは安心してください。そこをケアできれば一気にブランドを広げることができ、売場作りによるブランディングと数量を多く販売するという両方を実現できます。またネットと違い、売場の鮮度も維持する必要があります。ネットと違ってページができたらおしまいではありません。売場は常に変化します。ほっておけば埃がついてブランドイメージを汚します。そのため、存在感を出すためにお客様への提案型の売場にしなくてはなりません。逆に量販店での展開の妙味はそこにあります。同じ商品でも売場の販売員はシーズンごとに見せ方を工夫してその時々のお客様にご提案する売場を考えます。だからこそ商品が知れ渡っていなくとも売れる仕掛けができるのです。うまく鮮度維持できればたくさんのお客様に買う動機を与えることができるのもリアルでの展開の醍醐味です。次回は小売のハイエンド「百貨店」に潜む罠について触れたいと思います。お楽しみに!